塗装について。
ABOUT PAINT
<EXIT

塗料の呼び方って色々ありますよね。アクリル塗料とかラッカー塗料とか。更に、ウレタンとか
エポキシなんて言われた日には、初心者ばかりでなくある程度やってる人間でも戸惑います。
「結局ソレって何なの?」って聞いたところで、成分とかから説明されると余計にややこしくなる
のがオチです。コレはもう、使ってみて自分が思っている事が出来るかどうかで選ぶしかない
わけです。多くのベテラン・モデラーがそうしているように「コレはこういうもんだ」って事で納得
しましょう(笑)。

とはいえ、ごく簡単な「基本的な事」については知っていた方が「チョイス」しやすいのも事実。
以下に「だいたいこんなものですよー」的、説明をしておきますので適当に参考にしてみて
ください。ただ、必ずしもコレが「正解」とは思わないように。私達は「模型ファン」であって
「塗料フェチ」ではないです。「塗料研究」しているわけではないので詳しい説明はご容赦を。
「結果、思ったモノが塗れれば良い」 それだけだと考えています。

「オペーク」と「クリアー系」

その塗料成分がなんであれ、色がついているのであれば色成分として表記されているのは
「顔料」か「染料」です。それぞれの色によってその原料は更に違ってくるようですがソコまで
は説明出来ませんし、また聞いたところでたいして意味の無い事だと思います。

「顔料」を使用した塗料と「染料」を使用した塗料の違いは、単に「隠ぺい力の違い」と言う事
で使い分ければ良いです。下地色をほぼ隠したい場合は顔料塗料、下地色を活かしたい場合
は染料塗料といった具合です。例えばクリ-チャ-造型の雄「竹谷隆之」さんが多用する「オイ
ル・ステイン」、これは染料塗料の特性を活かした塗り方です。ガンダムと言えば「MAX渡辺」
さんの「MAX塗り」ですがコレは顔料塗料を上手く活用した表現方法です。単純に書きました
が各人の塗装法は勿論コレだけの事ではありません。ベクトルがそっちを向いているという事
で認識しておいてください。

怪物屋では顔料塗料の事を「オペーク」と言い、染料塗料を「クリアー系」と表現します。これら
の活用頻度はどちらの比重が高いという事はありません。アイテムに応じて、また製作者が
表現したいイメージに応じて使い分けるのが普通です。

ラッカー塗料

成分を見てみると「合成樹脂塗料」とありますが、これはラッカーに限った事ではありません。
前述した「顔料」や「染料」のみでは塗料としては使用できないため「つなぎ」がいるわけです。
「エマルジョン」と言いますが、このエマルジョンが何なのか?で、その塗料が「ラッカー」なの
か「水性」なのか、などが決まるわけです。 「合成」とあるように色んな原料が使用されていま
す。その内容は塗料の種類によってさまざまです。

ラッカーの特性として上げられるのが「速乾性」という事と、塗面強度があげられます。速乾で
あれば次の作業に移行しやすいという利点がありますよね。四季が有り、多湿な日本には最
も適した模型用の塗料と言えるでしょう。次に「塗面強度」ですが、コレは最高に強いワケでは
ありません。強度で言えば「ウレタン塗料」や「エポキシ塗料」の方がはるかに強いです。使い
やすさの点で「模型に向いている」と言える塗料の中では一番強いという意味です。
(強度で言えばソフビに使用する「Vカラー」などがあります。言えばコレが一番強いと思います
が、ソフビにしか使えないという難点があるので省きます。)

ラッカーを下地にもってきた場合、その上に「水性塗料」や「エナメル塗料」を使っても塗膜が
犯されることがありません。例えばフィギュアの細かい装飾品などを「エナメル塗料」で描くと
して、その下地がラッカーであれば「やり直せる」という事です。「エナメル塗料」「水性塗料」
それぞれに専用シンナーがありますので、失敗したと思ったらそれらで洗い流せば元通りに
なりますね。その性質を利用した塗装法が「ウォッシング」です。全部、拭き取らず微妙に残す
事でメリハリをつけます。それで決まれば上からラッカークリアーでコーティングしてやりま
す。ラッカークリアでコートされた面はラッカーの強度を持っているわけですから、その上から
さらに「エナメル」や「水性」で描きこんだり、洗い流したり出来るわけです。コレの繰り返しで
色に奥行きを出す事も可能です。


ラッカーは「速乾性」なので、それだけではエアブラシで使うには不向きと言えます。エアブラ
シと言うのは塗料を小さな粒状にして空気圧で射出、散布するツールです。空気に触れる事で
乾燥する「一液性」なので、「粒状にする事や空気で押し出す」という行為は乾燥を促進してい
るに他なりません。模型用ラッカー塗料と言えば「GSI-クレオス(旧グンゼ産業)ですが、同社
よりエアブラシ用に「レベリングうすめ液」というのが出ています。「ラッカーうすめ液」なんです
が、その主成分の殆どが「リターダー」と呼ばれる「遅乾剤」です。これである程度、乾燥時間
を遅くしてやらないと綺麗な吹きつけは出来ないんですね。通常の「ラッカーうすめ液」で塗料
を希釈して吹きつけた場合、ムラになったり「ダスト」と呼ばれる小さいホコリが付着します。
これは、吹きつける対象物に塗料が着床する前に乾燥している、もしくは乾燥がはじまってい
るからです。「全て吹き終わった後に乾燥を待つ」これが基本です。因みにエアブラシ用に塗
料を希釈する場合、基本は「三倍にレベリングで薄める」 です。

エナメル塗料

「乾燥」が遅いのが特徴。・・・と聞くと悪いような気もしますがハイレベルな塗装をするには欠
かせない塗料。遅乾性と言う事は塗料の伸びが良いと言う事です。また、乾いてからではな
かなか洗い落とせない塗面も、乾燥前なら容易に洗えるという事です。
塗料の伸びの良さは「ドライブラシ」に最適ですし、やり直しがスグできるのは「細部描写」に
向いてますね。

「エナメル塗料」には「エナメル・シンナー」を使用しましょう。ラッカーシンナーでは綺麗に溶け
込みません。手に付着した色を落とす場合はラッカーシンナーでOKですが(笑)。

水性アクリル塗料

水で洗えますし、溶け込みます。一般に「水性アクリル塗料」という事で「アクリル塗料」と呼
ばれる事もありますが、言えば「ラッカー」もアクリル塗料です。前述した「エマルジョン」の
話しになります。「水性アクリル塗料」に使用されているエマルジョンがアクリルでも「水溶性」
だと言う事です。ですが「ラッカー塗料」も「アクリルラッカー塗料」ですし「ウレタン塗料」も
「アクリルウレタン塗料」です。ややこしいですよね。だから「タミヤカラー」とかの品名で言うか
「水性アクリル塗料」とフルネームで言う方が間違い無いでしょう。

溶剤が「水」と言うのは今風の言い方をすれば、環境にも使用者にも「やさしい」と言う事に
なります。でも、模型に使う場合ちゃんと専用シンナーを使いましょう。「アクリル塗料溶剤」
がソレです。ソレでなくても乾燥の遅い塗料なので「水」でやってしまうと全然乾きませんよ。
コスト的には良いですが(笑)。

水性アクリル塗料の良いところはその「通気性」にあります。レジンキットやソフビキットを購
入した方なら判ると思いますが、インストに「水性アクリル塗料で塗装」と書いてあったりしま
す。レジンやソフビは製品状態になっても「ガス」を発生し続けます。生産されて10数年も経
つキットならまだしも、新品のキットの場合このガスが原因で「塗装剥離」「劣化」などをを引
き起こします。煮沸する(ナベで煮る)のは「ガス抜き」作業なんですね。それで完全に抜き
きれるワケではありませんが、少しでも多く抜いておくに越した事はありません。
水性アクリル塗料の特性である「通気性」はココで威力を発揮します。つまり塗料をガスが
通過して発散されるわけですね。ラッカーだと閉じ込めてしまうのでガスは内部に閉じ込め
られます。なので「剥離する」。昔のラッカーは主成分が「ニトロセルロース」という樹木から
抽出される自然成分なので通気性があったんですが、今の「アクリル合成樹脂」が成分の
ラッカーは通気性に乏しいです。(それで塗料強度が上がっているわけですが)

「マテリアル」で紹介している「フリーク フレックス」と「ホライゾン カラー」はこの水性アクリル
塗料です。特選素材に選んだ理由は「エマルジョン」の質の良さです。怪獣キットのモデラー
の方で水性アクリル塗料を使用してらっしゃる方は多いと思います。恐らく使用している塗料
は「タミヤカラー」ではないでしょうか?塗りやすさや発色の良さは海外でも評判の塗料です
ので、塗るものがガスの発生しない「インジェクション」ならOKです。しかし、レジンやソフビキ
ットの場合はお勧めできません。経年で「最初はマットだったのに」とか「持つとネチャつく」と
いう経験をされた方は多いと思いのではないでしょうか。「ガス抜き」は前提ですが、それでも
残ったガスが水性アクリルを変質させているからと考えています。

「フリーク フレックス」と「ホライゾン カラー」はエマルジョンに使用している水性アクリルの質
が良い為、経年でこういった事がおこりません。「分子結合」の話になってしまうので説明は
省きますが、上記2点は発生ガスを「スルー」して「変質しない」水性アクリル塗料です。
そう言う意味で「特選素材」なんですね。

プライマー

「サフ」は下地処理剤ではありますが、プライマーではありません。「プライマー」とは上に塗
る塗料と素材とを密着させる為の「密着剤」です。サフェイサーは表面処理をするだけのもの
なのでコレをレジンやソフビにプライマーがわりに使用するのは剥離の元です。サフを入れ
たい場合はプライマーの後に入れるか、最初からプライマーの混入されている「プライマー
サフェーサー(プラサフ)」を使用しましょう。ただ、表記が必ずしもそうでない場合があるのが
混乱しますよね。サフェイサーと書いてあるのに「ガッチリ食いつく」とあれば「プライマーって
事?」となります。(因みにプラモデルの場合はサフだけでOKです。サフのラッカー成分は
プラモデルの成分である「スチロール樹脂」を犯しますのでガッチリ食いつきます。逆にプラ
イマーを使うとダメですよ。)

プライマーの成分などは、かなり多岐にわたっていますので理屈が良く判りません。金属の
場合は「ウォッシュプライマー」という表面を酸化させた上、皮膜を作るものが最も効果的で
密着が良いとの事です。レジンやソフビの場合に、その適応性を知るためには「使ってみる」
しか無さそうですね。

色々、使用してみましたが「決定版」と言えるものがなかなか無いです。「決定版」の条件は
「フレキシブル」で有る事。レジンの場合、メーカーによって成分はマチマチです。ガッチリ食
いつくものも有れば、下処理を完璧にやったつもりでも剥離するものもあります。メーカー
や国に関係無くどんなレジンでもOK!的なプライマー。その可能性があるのが「マテリアル」
で紹介している「スポット50」です。今まで、不動の位置に居た「ソフト99」を追い落とすので
はないかと期待しております。「ソフト99」はグレーですから、同程度の性能であるなら「スポ
ット50」のクリアーに汎用性の面で分があります。メカ系は譲りますが(笑)。

ソフビに関しては最近良いのが色々出てますね。塗料ですがイリサワの「Vカラー」はソフビ
に相性抜群です。(プライマーがわりとしても高性能なので、勿論そのまま塗ります)他では
アサヒペンの「プラスチック プライマー」など。「ソフビ」は「ソフト塩化ビニール」です。塩ビに
過疎剤を入れて柔らかくしたモノなので、「塩化ビ二ール用」と書かれたプライマーならOK。
つまり最もその手の商品が充実しているのは「コーナン」などのDIYショップやカー用品店で
す。最近、アサヒペンの「プラスチック プライマー」などを模型店で見かけますが、もともと
DIYショップにしか置いてなかったですから。(今でも置いてますし模型店で買うよりお得)

ラッカー塗装をする場合、プライマー選択は「最重要」です。ラッカーは通気しない塗料です
から素材との密着度が命綱となります。分子同士の結合強度の強いウレタン、エポキシ各
塗料に比べると脆弱と言えるラッカーの結合強度は、素材と密着していなければ悲惨です。
「剥げない塗装」は下地処理の確実さとプライマー選別の正しさから生まれます。地味な作
業ですが、ココを怠れば折角時間をかけて綺麗に塗り上げたとしても全て無駄になります。
「キット洗い」は「離型剤落し」としても重要ですが、せめて「熱湯に漬ける」くらいはしておい
た方が無難ですね。

(因みにウレタン、エポキシは更に通気しません。結合強度が高いほど密閉してしまうと考え
て差し支えないと思います。双方とも「2液性」で、主剤と硬化剤があります。「ウレタン塗料」
は常温で硬化、乾燥しますが「エポキシ塗料」は焼き付けが必要になります)

<EXIT

このページですが、また何かあれば更新、追記致します。


INDEX